【ビザについて知ろうシリーズ➁】技能実習ビザ

local_offer ビザ
2020.7.2最終更新
外国人の就職活動
日本では、40万人もの技能実習生が日々、技術を習得するために働いています。また、毎年多くの外国人の方が、技能実習に応募をしています。技能実習は他のビザと比べて少し特殊です。来日前にも多くの準備が必要です。

1、技能実習制度とは(研修との違い)

「技能実習・研修制度」とは、18歳以上の外国人を日本に受け入れ、日本での産業上の技術や技能、知識などを習得してもらい、母国で活用してもらうことにより、人材育成を通して国際貢献するための制度です。
技能実習を受ける外国人(技能実習生)も同様に、日本で技術などを一定期間の間に学び、母国で活かし、母国の発展に貢献する、という役割があります。
多くの日本企業が海外進出を果たし、現地雇用の外国人従業員の教育をしなければならなくなった1960年代にこの基礎ができあがりました。

「技能実習」も「研修」も日本の企業などに受け入れてもらい、技術などを学ぶ活動に従事する点は同じです。
違いは、「研修」では、お給料などの報酬はもらいません。
一方、「技能実習」は一定期間の講習の後に、企業などと雇用契約を結んで、技術などを学ぶ活動に従事します。つまり、報酬としてのお給料をもらいます。

2、技能実習制度の概要

「技能実習」とは、日本特有の技能・技術・知識の開発途上国等への移転などを目的とし、1年目から労働者として在留する外国人技能実習生に与えられる在留資格です。
技能実習生が労働基準法や最低賃金法等の労働関係法上の保護が受けられるよう、雇用契約に基づいた活動が義務付けられています。
もちろん技能実習生にも労働基準法が適用され、最低賃金や残業代の支払い、夜間の割増賃金などの規定が適用されます。
技能実習では従事する内容が細かく決められています。令和2年7月時点で、82職種148作業にまで分けられています。
分野としては1、農業関係 2、漁業関係 3、建設関係 4、食品製造関係 5、繊維・衣服関係 6、機械・金属関係 7、その他 とあります。
技能実習は1号、2号、3号とあります。1号は1年間、2号は2・3年目、3号は優良な監理団体・実習実施者に限定した補充措置で4・5年目です。2・3号に移行できる職種とできない職種があります。

3、技能実習生が働くまでの流れ

技能実習生として日本で働くまでの流れは以下の通りです。
国によって違いがある場合もありますので、簡単に説明したものです。

1、送り出し機関と呼ばれる母国の機関に応募する
2、送り出し機関で説明を受け、テストを受けて合格する
3、受入れ企業に採用される(ここまでは2~4週間です。)
この時に、受入れ企業の方が本国まで面接に来てくれる場合も多いです。
4、送り出し機関にて講習を受けます。(約5カ月間)
(健康診断、日本語教育、業種・職種に合わせたカリキュラムを勉強します。)
5、ビザ申請
多くの場合は送り出し機関が行なってくれますが、必要書類などをしっかりと用意する必要があります。(ここまでは大変長く、3ヶ月半~6ヶ月かかります。)
6、入国・直前講習
来日後には受入企業での実習にスムーズに入れるよう、監理団体が日本語を中心に直前講習を行ないます。(約1か月間)
ここから、技能実習生は監理団体にお世話になることとなります。色々な相談事や不安があれば監理団体の担当者に相談しましょう。
7、ついに実習開始
お仕事を一生懸命頑張り、分からないことは受入れ企業や監理団体にきちんと聞きます。

4、技能実習の現状と問題

現在、技能実習生は40万人程度います。受入企業は2000件以上に登ります。
国別では、受入れ人数の多い国はベトナム・中国・フィリピンの順です。全体で82職種ありますが、「技能実習2号」への移行者が多い職種は①食品製造関係 ②機械・金属関係 ③建設関係です。
多くの方が頑張って働いています。
しかし問題があるのも現状です。違法な長時間労働や賃金不払いなど問題もあり、多くの技能実習生が失踪せざるを得ない状況があります。
2015年には3000人が失踪をしています。そんな状況を変える為にも政府も対策を取っています。不安に思わずに、技能実習を応募できるように、環境も整えられて行っています。