【留学生・外国人のための履歴書の書き方】履歴書テンプレートあり!就職活動ガイド①

外国人留学生の就職活動
履歴書は企業応募の第一ステップです。丁寧に、きちんと書いて、企業の担当の方に会ってみたい!と思ってもらえることが大切です。とは言っても日本語で書き慣れない履歴書などの応募書類を書くことは難しいですよね。このコラムを読んで、書き方を学び、何度も練習をして、自分の希望の就職ができるように一緒に頑張っていきましょう!

1、履歴書・職歴書・エントリーシートとは

就職活動や転職活動をする際に必ず必要なのが履歴書です。
その他にも、職歴書や、エントリーシート、そしてデザイン関係の仕事に就く場合にはポートフォリオ、などの応募書類があります。
その他にも色々とありますが、ここでは一般的によく使われる履歴書・職歴書・エントリーシート、について見ていきましょう。

■履歴書

履歴書は自分自身の基本情報を記載した書類です。人事データとして公的にも使用する書類です。
志望理由や自己PRを記載する箇所も少しはありますが、基本的には自分に関する「情報」がメインです。「履歴書」という用紙はほとんど決まった形があり、書店などで購入ができます。
会社によって独自の形式を使うところもあるかもしれませんが、
インターネットで取得しても、ほとんど同じような内容であることが多いです。

■エントリーシート

エントリーシートは自分を「アピール」する書類です。
決まった定型の書類などはなく、会社や求人サイトなどが提供するエントリーシートに記載します。
履歴書が、名前・住所・学歴といった情報であるのに対し、エントリーシートは自己PRや志望理由、などのアピール文書です。
エントリーシートがない場合は、「別紙参照」として別の紙に書くこともできます。

■職歴書

転職をする際に使用する応募書類です。
これまで勤めていた企業の情報や従事していた仕事内容などを記載します。

2、日本語の履歴書・職歴書・エントリーシート記入の基本ルール

様々な応募書類がありますが、共通して気を付けたいポイントがあります。
それは下記の通りです。

きれいな紙を使う

企業の選考は応募書類提出の時点から始まっています。
汚れた紙を使う。汚れてしまってもそのまま提出する。何かの裏紙を利用する。
このようなことはしてはいけません。

手書きの際は油性ボールペンを使う

今では、パソコンで入力する場合と、手書きで記載する方法とあります。
手書きで記載をする場合は油性ボールペンを使いましょう。
水性ボールペンや、こすると消せるボールペンは使ってはいけません。同様にシャーペンや鉛筆もNGです。
また、インクの色は黒を使いましょう。青ペンを公的文書に使う国もあるかもしれませんが、日本では黒一択です。
また、修正液や修正テープも使ってはいけません。修正する際は二重線を引いて、その上から捺印をします。
しかし、履歴書やエントリーシートなど、予備があったり印刷ができる場合は、新しい紙に書き直します。
決して間違ったまま、無理に字を修正しようとはしないようにしましょう。

誤字脱字をしない

書き終えたら必ず見直しをしましょう。
誤字脱字があるだけで、どれだけ良い内容であっても、選考を落とされてしまう場合があります。
日本語や漢字に不安がある場合は、調べながら書くようにしましょう。
また、間違えると困るので下書きをしてから、黒いペンでなぞる、という方もいますが、
下書きが上手く消えていなかったりすると、かえって汚く見えてしまうのでおすすめではありません。
日本語や内容に不安がある場合は、一度誰かに見てもらうのもよいでしょう。

誤った情報を書かない

こんな仕事もちょっとはしたことがあるから、少し良く見えるように経験職種を増やして書こう、などはNGです。もちろん、実際に部署を超えて、こんな仕事をしたことがあります、と書くのは良いですが、あきらかに情報を増して書いてはいけません。
自己アピールが大切なお国柄もあるかもしれませんし、本人は良かれと思って書いているかもしれませんが、日本では虚偽と捉えられる場合があります。履歴書においては虚偽の内容を書くと、私文書偽造罪となる場合もあります。

また、日本と他の国との違いとしては、(もちろん日本に近い国もあります。)

■他の国:ちょっとできる=できます。やったことがあります。自信があります。

■日本 :ちょっとできる=あまりできません。少しだけやったことがあります。

という違いがあるでしょう。

もちろん、日本では、それで終わりではありません。ちょっとしかできませんが、これから頑張って覚えていき、精一杯やります!という意気込みを同時に伝えます。
ちょっとしかできないのに、できた、と言って、入社すると全然できない、というのはあまり日本の企業ではよく思われません。

3、日本語の履歴書の書き方

ここでは、「JIS(日本工業規格)」という国の標準規格にのっとった市販の履歴書の書き方を見ていきます。

日本語の履歴書の書き方ー基本情報

①日付:
記入した日にち

➁名前・ふりがな:
英語名で記載し、ふりがなにはひらがなで読み方

➂生年月日:
誕生日。西暦で大丈夫です。歳は日本では、生まれた歳は0歳ですので、2000年生まれの人は今は20歳です。

➃性別:
男・女のいずれかに〇をつけます。
最近では性別欄のない独自の履歴書を販売している会社もあります。

⑤写真:
履歴書に貼るための写真のサイズは決まっています。写真は写真屋さんで撮ってもらうか、証明写真機で撮りましょう。それ以外の写真は使わない方が良いです。
写真を撮る時は、男性はひげをそり、髪形も整えます。女性は髪が長い人は髪をまとめます。そして化粧は薄くするのが良いです。
服装は就職活動の場合はリクルートスーツ、転職活動の場合は派手ではないスーツで撮るのが良いです。
写真はきれいに切り、曲がらないように貼ります。少しでもずれていたり、曲がって切っていると印象が悪いです。そして、写真の裏側には名前を書いておきましょう。写真を貼る時は一部にのりをつけるのではなく、全体につけましょう。
随分と細かいと思うかもしれませんが、日本ではこのような事がとても大切なのです。

⑥現住所・電話:
今住んでいる住所。都道府県から書きます。郵便番号もお忘れなく。
郵便番号検索は下記からできます。
https://www.post.japanpost.jp/zipcode/
電話は、携帯電話の番号で構いません。

⑦連絡先・電話:
家族が日本にいて、特別な事情で家族に連絡を入れてほしい、ということがなければ、空欄もしくは「同上」と書きます。
学校の連絡先を書くよう、学校から指示がある場合は、学校の連絡先を書きます。
もしくは、メールアドレスを書いておくと良いでしょう。

日本語の履歴書の書き方-学歴・職歴欄

⑧学歴・職歴:
学歴は、一般的には日本ですと、高校入学から書きます。
母国で日本の高等学校相当の学歴から書くと良いでしょう。学校名の読み方が難しいときはふりがなを書くと親切です。
留学生の方ですと、母国での高校・(大学)・日本での日本語学校・大学・短大・専門学校、などになります。
学校の名称は省略せずに全部書きます。例えば「〇〇法人 〇〇日本語学校」などです。また、専攻したコースもきちんと書きます。
書き終えたら、以上、と書きます。
職歴は就職活動の場合は、アルバイト経験を書くと良いでしょう。転職活動の場合もここでは企業名のみ記載します。

日本語の履歴書の書き方ー免許・資格欄

⑨資格・免許:
基本的には日本で取得した資格や免許を書きます。
世界的に通用する資格であれば記載するのが良いでしょう。(MBAなど)
日本での資格は取ったものはすべて書くとアピールになります。
多くの人が書くものとしては、「日本語検定〇級」「普通運転免許」でしょう。

日本語の履歴書の書き方ー志望動機欄

⑩志望の動機:
履歴書の中で、もっとも自己PR出来る部分が「志望動機」の欄です。どんな企業にも当てはまるような内容ではなく、きちんと応募企業のことを調べて、「なぜ御社で働きたいのか」具体的な理由を書きましょう。
また、「自分が経験したこと」「自分のスキルや長所」「入社後にどんなことをしたいのか」を端的に書いて、担当の方に一緒に働きたい、と短い文で思ってもらえるようにするのがポイントです。

日本語の履歴書の書き方ー趣味・特技欄

⑪特技・好きな学科・アピールポイント:
特技や趣味なども具体的に書くと良いでしょう。面接での話題にもなりやすいです。ギャンブルなどは良い印象を与えませんので書かないようにします。
好きな学科は、仕事に直結するような内容を書くと良いでしょう。

日本語の履歴書の書き方ー本人希望欄・通勤時間・配偶者の有無

⑫通勤時間:
家から職場までかかる時間。

⑬扶養家族数:
配偶者以外で扶養する家族の数です。子供が2人、働いていない親が1人であれば3人です。

⑭配偶者の有無:
有・無 どちらかに〇をつけましょう。

⑮配偶者の扶養義務:
有・無 どちらかに〇をつけましょう。配偶者が自分で健康保険を会社などで払っている場合は無です。

⑯本人希望記入欄:
絶対条件がない限り「貴社の規定に従います」と書きます。
このくらいのお給与がほしい、や、転勤したくない、などと本当は書きたいかもしれませんが、通常は書きません。そもそも、提示されたお給与が合わない、転勤したくないのに転勤がある場合は、応募を一度考えるべきでしょう。
また、転職する人はもちろん給与交渉などはすることもあります。
しかしその場合もこちらには書かずに、面談の際に直接交渉することが良いでしょう。
日本の文化ですが、新卒で就職活動をする際に、あまり給与交渉をすることはありません。
応募職種がいくつかある場合は希望職種を書きます。
また、学校の授業があったり、就業中の転職活動の場合は、連絡がつく時間を記入しておくと良いです。
家族の事情(病院のお見舞いや子供の送迎)が定期的にあり、時間的な制約がある場合、健康上、日々において気を付けないといけないことがある時は、書きます。

留学経験のある方のポイント

1、学歴や職歴の欄では「どこの国」なのかを分かるように書きましょう。

例えば、
・藹々(あいあい)大学(中国)
・株式会社FRESHTOWN(フレッシュタウン)(アメリカ)など
都市名が漢字や英語で難しい場合は、日本語でフリガナをふるようにしましょう。

2、免許や資格欄では、日本以外の国や母国で取得した資格も書くようにしましょう。

応募する仕事と関連のある資格だと、評価につながる場合もあるからです。
その場合もどこの国で取得したのかきちんと書きましょう。

日本語の履歴書テンプレートはこちら

日本語の履歴書のテンプレートをこちらからダウンロードできます。

4、日本語の職務経歴書の書き方

職務経歴書はフォーマットが色々なサイトで出ていて、参考にすることが出来ます。
職種によって書き方は異なりますが、共通するポイントがあります。

1、従事した部署はすべて書く
時系列で書くと良いでしょう。

2、具体的な数字を入れる
営業であれば、売上目標に対し、結果はいくらで何%の達成だったのか、など。
マネジメントをしてきた方は部下は何人いたのか、など。

3、仕事内容を詳しく記載する
エンジニアであれば、どのようなシステムに携わったのか、営業であれば、どのような手法で営業活動をしたのか、など。

4、表彰されたことや取得した資格を書く
表彰経験は大きなアピールポイントとなります。

5、事実とアピール(主観)を分けて書く
数字などの事実は事実、問題解決能力やコミュニケーション力が身につきました、といったアピール(主観)は別で書きます。

6、応募したい会社や仕事に合うように内容を変える
1枚基本形を作っておき、応募する企業によって変えると良いでしょう。

7、企業の機密情報などは絶対に書かないように!
具体的、とあるので、具体的な取引先や、公にされていない数字まで書いてしまうと、情報漏洩にあたります。不安な場合は、エージェントなどに登録し、職務経歴書を添削してもらえるサービスを利用すると良いでしょう。

5、日本語のエントリーシートの書き方

エントリーシートは略してES(いーえす)と呼ばれます。
新卒の就職活動で使用されます。

履歴書だけでは知ることのできない、その人の「人柄(ひとがら)」や「経験」を知ることができます。
そのため、できるだけ具体的な事柄を入れると自分を表現することができるでしょう。

エントリーシートでは、各企業によって、応募者に記載させる内容は異なりますが、ここでは一般的に多くされる質問を見ていきます。

1、志望理由(業界・職種・企業)
企業に関しては、その企業のことを調べ、具体的に名称を出すと良いでしょう。
きちんと調べてきたんだな、という良い印象を与えることができます。

2、自己アピール(流れ)
・自分の長所は〇〇です。
・具体的には、こんなエピソードがあります。(エピソードはたくさん盛り込まず、部活・サークル・アルバイト・ゼミ、などどれかにしましょう。たくさん書くと中身が薄くなります。2番目以降のエピソードも用意し、面接の時に話せるようにしておきましょう。)
・エピソードの結果、このようなことができました。
・自分の短所は〇〇です。
・短所を克服するもしくはカバーする為に、こんなことを取り組んでいました。
・取り組みの結果、短所を乗り越えらえました。
(短所の話は効果的です。課題を計画して、工夫して、乗り越えた、という仕事に繋がるエピソードになるからです。)

3、学生時代に頑張った事・取り組んだこと(流れ)
こちらもたくさん盛り込まず、部活・サークル・アルバイト・ゼミ、などどれかにしましょう。
たくさん書くと中身が薄くなります。2番目以降のエピソードも用意し、面接の時に話せるようにしておきましょう。できるだけ具体的に書きましょう。例えばコンビニでのアルバイトを頑張った場合、
・学生時代はコンビニでのアルバイトを頑張りました。
・一番頑張ったことは「お客様が多い時間での業務」です。
・お客様が多いお昼時間は、レジを早く回したり、品薄になった品物を出さないといけません。
・最初はとても難しかったし、うまくいかないこともありました。
・しかし〇〇〇といった工夫をしたところ、〇〇〇と良い結果が生まれました。
といったように、具体的なエピソード→なぜ頑張ったのか→どのように工夫したのか→どのような結果になったのか、を書けると、履歴書を読む方に仕事を任せた時のイメージを湧いてもらいやすくなります。

6、日本語応募書類の提出と郵送のマナー

企業への応募の際に、まずは書類選考、というケースが多いですよね。
提出の仕方は企業によると思いますが、郵送や持参することが多いと思います。書類の渡し方や郵送の仕方にもマナーがありますので、しっかりと知って失礼のないようにしましょう。

郵送の場合(郵送のマナー、封筒の書き方)

■郵送のマナー
郵送のマナーで気を付けるポイントは以下の通りです。

・送付状を必ず同封する。

「送付状」には以下の内容を入れます。
 ・日付
 ・相手の会社名・分かる場合は担当者の部署名・役職名・名前
 ・自分の住所・電話番号・名前
 ・題名(「書類送付のご案内」など)
 ・挨拶文(ビジネス文書によく使われる挨拶文があります。インターネットなどで調べるとすぐに出てくるので参考にしても良いでしょう。)
 ・送付するもの(「履歴書一部、職歴書一部」など)
 ・最後の挨拶

・応募書類は折らずに、送付状と一緒にクリアファイルに入れ、A4が入る封筒に入れる。もちろん新品のクリアファイルときれいな封筒を使用する。

・郵便料金が不足しないよう、郵便局の窓口で出す。
(きちんと届いているか心配な方は、簡易書留やレターパックを使用することもできます。)

・書類の提出期限ぎりぎりに提出せずに、余裕を持って提出する。

・封筒の表と書類の表を揃える。

 

■封筒の書き方
封筒の書き方で気を付けるポイントは以下の通りです。

・住所は都道府県から書く。

・株式会社や有限会社は()()のように、省略せずに書く。

・担当者宛の場合は「様」、担当部署宛の場合は「御中」を使う。

・担当者名も担当部署も分からない場合は「人事採用ご担当者様」や「新卒採用ご担当者様」と書く。

・封筒の表に「履歴書在中」や「応募書類在中」と赤い文字で書く。

・封筒の裏面に自分の住所・名前を書く。名前にはふりがなをふる。

・封筒を閉じたところに「〆」と書く。

7、アルバイトを探す外国人の方の場合の日本語の履歴書の書き方

アルバイト応募の時と正社員応募の時の履歴書の書き方は基本的には同じですが、アルバイトの時に特有で記載しなければならない項目もあります。
ここでは、アルバイトを探す外国人の方の場合の日本語の履歴書の書き方について見てみましょう。

アルバイトの志望動機の書き方の注意点

アルバイトの場合の履歴書の書き方の注意点は以下の通りです。

・web応募などで、先にメールなどで履歴書を送る場合は、パソコンで作成し、データを送るようにします。手書きのものをスキャンして送るのはあまり綺麗に見えないかもしれません。

・応募したい職種、勤務可能な曜日・時間を書いておきます。その際に外国人アルバイトがいない場合もあるので、「在留資格の資格外活動許可のため、週の勤務可能時間は28時間までです。」と記載しておくと親切かもしれません。

・志望動機部分は、具体的なエピソードを交えながら書くと良いです。

また、履歴書や特に文章が分かる志望動機部分で日本語力を図られる場合もありますので、心配な場合は先生や日本人の友人にチェックをしてもらってから提出するよ良いでしょう。

8、日本で転職活動に取り組む外国人の方の場合の日本語の履歴書の書き方

転職応募の時と新卒応募の時の履歴書の書き方は基本的には同じですが、転職の際に特有で記載しなければならない項目もあります。
ここでは、日本で転職活動に取り組む外国人の方の場合の日本語の履歴書の書き方について見てみましょう。

転職の志望動機の書き方の注意点

転職活動における志望動機は、「なぜその会社を選んだのか」「入社後どんな仕事がしたいのか」「その会社や仕事で活かせる自分のスキルや強みはなんなのか」の3つに分けて、具体的に書くことがおすすめです。その3項目における詳細や具体的な数字は職歴書にまとめた方が良いので、簡潔な文章を限られた枠の中に書くことを意識しなければなりません。

例えば、
・「会社への応募理由」としては、
会社の事業内容やサービスをきちんと理解し、どういったところに魅力を感じたのか、具体的に書くと良いです。

・「入社後にやりたい仕事」としては、
応募する会社とは関係なく、ただ自分がやりたい仕事を書くのはNGです。上記の応募理由から繋げて、事業内容やサービスと関連付くような仕事内容を書きます。

・「自分のスキルや強み」としては、
職歴書で詳しく書くので、やりたい仕事をするために、結びつきそうな自分の経験やスキルを端的に書くと良いです。

履歴書の志望動機欄は小さいので、上記の3つが文章としてつながるように書くと自然でかつ具体的な文章が書けると思います。