【在留資格とは?】外国人が日本に滞在するための在留資格について 知ろう!

外国人の就職活動
海外旅行で外国に行き、とても気に入ったので住んでみたい!と思った経験がある人も多いでしょう。観光に行くことは簡単でも住んだり働いたりするのはなかなか難しいですよね。日本も同じです。日本に住むために必要な「在留資格」について「ビザ」との違いもおさえながら説明していきます!

1、ビザと在留資格の違い

「ビザ」「在留資格」という言葉をよく聞くけど同じものを意味するんじゃないの?
と思われがちですが、実は全く異なるものなのです。
ビザと在留資格との違いを見てみましょう!

 ビザ(査証):
日本に入国するために取得しなければならないもので、
外国にある日本大使館や日本公館で発行され、パスポートに印字されます。

在留資格:
日本に入国してきた外国人に対して、
日本でどんな活動をして良いかを定めるものです。

実際には両方とも「ビザ」として呼ばれていることが多いです。

2、ビザ(査証)について

ビザ(査証)は日本の外務省が発給をします。
ビザは原則として1回の入国に限り有効で、有効期間は発給の翌日から起算して3か月間です。
そして、日本に上陸すると、入国審査を受けます。
無事に入国審査が通ると、その時にビザは役目がなくなります。もしくは3ヶ月過ぎても失効になります。

日本のビザの種類は10種類あります。

1、外交
2、公用
3、就業
4、一般
5、短期滞在
6、通過
7、特定
8、医療滞在
9、高度専門職
10、起業(スタートアップ)

あらゆる在留資格で日本に働きに来る場合は、就業となります。
働くことができる在留資格は一般的に「就労ビザ」とよく呼ばれますが、上記の「就業ビザ」と似て非なるものですので注意が必要です。技能実習や留学、家族滞在は一般査証です。
定住者や日本人の配偶者などは特定査証です。
また、観光などの短期滞在の場合は短期滞在査証となりますが、一部の国・地域ではビザが免除されています。ですから、アメリカや韓国から日本へ旅行する方は、ビザを取らずに日本に来ることができる、ということです。つまりパスポートと航空チケットだけが必要です。
近年、10番の起業(スタートアップ)ビザができました。

ビザの申請は必要書類を用意して、母国の日本大使館・総領事館に申請をします。
ビザ取得までは5業務日必要で、かつビザ発給から3ヶ月以内に日本へ入国しなければなりません。
その際、留学や就労の場合は在留資格認定証明書の提出を同時に出します。
在留資格認定証明書とビザの申請方法は異なりますので、しっかり理解が必要です。

3、在留資格とは

在留資格は、日本で決められた活動をするために、日本滞在を日本国に許可をされるものです。
外国から日本に来る人は、来日前にこの在留資格の認定申請をすることができます。
また、日本での活動を変えるにあたって、日本で在留資格の変更をすることもできます。

ビザ(査証)は母国の日本大使館や総領事館に申請を行ない、外務省が審査を行います。
一方在留資格は法務省が管轄しており、申請は日本の出入国在留管理庁へ行わなければなりません。
そのため、多くの場合は留学先の学校や、就業先の会社が行います。
経営・管理などの場合は日本の行政書士などに依頼することもあるでしょう。

では、在留資格はどのような種類があるのでしょうか。
「在留資格」は大きく分けて2つあり、

・活動類型資格

・地位等類型資格

に分けることができます。

活動類型資格(活動に基づく在留資格)

活動類型資格とは、
「外国人がそれぞれ決められた活動を行うことで日本に在留することを許可された資格」です。
その「それぞれが決められた活動」が「在留資格で定められている活動」です。

例えば、日本には下記の活動類型資格があります。

外交・公用・教授・芸術・宗教・報道・高度専門職・経営管理・
法律会計業務・医療・研究・教育・技術人文知識国際業務・
企業内転勤・介護・興行・技能・特定技能・技能実習・文化活動・
短期滞在・留学・研修・家族滞在・特定活動 

例えば、通訳のお仕事をする方は、「技術・人文知識・国際業務の在留資格」で活動し、その方はコックさんにはなれません。
コックさんになるには、「技能」の在留資格へ変更しなければなりません。
お店で働く「技能」のコックさんは自分の店は持てません。
「経営管理」の在留資格へ変更しなければなりません。

地位等類型資格(身分または地位に基づく在留資格)

地位等類型資格とは、
「定められた身分又は地位を有するものとして日本に在留することができる資格」です。

例えば、日本には下記の地位等類型資格があります。

永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者 

4、在留資格の種類1:活動類型資格(活動に基づく在留資格)

在留資格には大きく分けて2種類あることがわかりました。
では、さらに詳しく見ていくこととしましょう。

活動類型資格(活動に基づく在留資格)をここではさらに3種類に分けます。

・各在留資格に定められた範囲での就労が可能な在留資格、いわゆる就労ビザ

・就労することができない在留資格

・内容により就労の可否が決定される在留資格

各在留資格に定められた範囲での就労が可能な在留資格、いわゆる就労ビザ

就労することができない在留資格

内容により就労の可否が決定される在留資格

5、在留資格の種類2:地位等類型資格(身分または地位に基づく在留資格)

6、在留カードとは

「在留カード」とは、在留資格の許可を得て、日本に中長期間在留する人に対して交付されます。中長期在留者とは、3ヶ月以上滞在の在留資格を持つ人を言い、3ヶ月以内の観光で日本に来た外国人などには交付されません。

在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否など、法務大臣が把握する情報の重要部分が記載されていて、その人が適法に日本に滞在していることを示す「証明書」としての性格を持っています。
16歳以上の方の在留カードには顔写真が貼付されます。

また、中長期在留者が持っている今までの「外国人登録証明書」は、特定の場合において、在留カードとみなされます。

在留カードが交付される人

「在留カード」の交付は2012年7月9日から施工された「新しい在留管理制度」の一環で始まった制度です。
在留カードが交付される人は、この「新しい在留管理制度」の対象となる人です。

在留カードが交付される人は、法務省が次のように挙げています。
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人で、具体的には次の1~6のいずれにも当てはまらない方。

1、3月以下の在留期間が決定された人
2、短期滞在の在留資格が決定された人
3、外交又は公用の在留資格が決定された人
4、これらの外国人に準ずるものとして法務省令で定める人(具体的には,亜東関係協会の本邦の事務所若しくは駐日パレスチナ総代表部の職員又はその家族の方)
5、特別永住者
6、在留資格を有しない人

在留資格を有しないとは

6番の「在留資格を有しない人」とは、つまり「不法滞在者」の事を指します。
実は、「新しい在留管理制度」の前の「外国人登録制度」においては、不法滞在の人たちも登録の対象だったのです。ですから、あえて当たり前のように思える、6番の在留資格を有しない人、が項目に入っているのですね。

7、在留資格認定証明書について

在留カードが手元に届くまでの流れについて見てみましょう。
日本に上陸し、日本で在留資格に決められた活動を行うまでには、
・ビザ(査証)の発給
・日本上陸
・在留資格の付与、在留カードの交付
をイメージすると思います。

上記以外で、大切な手続で、「在留資格認定証明書の交付」があります。
「在留資格の付与」=「在留資格認定証明書の交付」と、同じものとして思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は別のものです。

「在留資格認定証明書」は外国人の方が、日本上陸前に、申請に基づき法務大臣があらかじめ在留資格に関する審査をし、その結果、条件に合う場合に交付される証明書のことです。
ビザ(査証)を申請する際に、この在留資格認定証明書を提出すると、ビザの審査が迅速に行われます。 

つまり、在留資格認定証明書の交付(入国管理局)→ ビザの発給(日本領事館もしくは大使館) → 在留資格の付与(入国管理局)という流れになるのです。

在留資格認定証明書の有効期限

在留資格認定証明書の有効期限は3ヶ月と設定されています。
在留資格認定証明書の有効期限は、ビザの発給までの期限ではなく、日本入国までの期限ですので気を付けなければなりません。
しかし、現在の世界的なコロナウィルス禍において、特別措置が取られていますので、3ヶ月の有効期限が切れてしまいそうな方も、情報をチェックするようにしてください。

8、在留資格の取り消し

在留資格を一度取得すると、その期間中必ず日本に在留できるわけではなく、在留資格を取り消される場合があります。

在留資格の取消しとは、日本に在留する外国人が、嘘や、その他不正による上陸許可の証印等を受けた場合や、在留資格で決められた活動を一定期間行わないで在留していた場合などに、その外国人の在留資格を取り消す制度です。

在留資格の取り消しは、入管法第22条の4で定められています。
在留資格が取り消される場合、悪質な場合は強制退去となります。

9、日本に来日するまでの簡単な流れ

在留資格の種類によって詳細は大きく異なりますが、一般的には、

・関係各所とのやりとり(起業や学校、行政書士など)
・在留資格申請・認定(場合により母国政府への申請・認定など)
・ビザ申請・認定
・来日
・活動開始
・随時入管や母国政府への報告など

といった流れになります。どの在留資格の場合でも、1人で完結する、ということはできません。
技能実習であれば、監理団体とのやりとりもありますし、在留資格認定まで様々な準備があります。
技人国でも雇用先とのやりとりがあり、現在日本国外にいる場合は申請を企業にお願いしなければならないこともあります。
そのため、自分の国・在留資格の場合は、いつまでに・どこに・どのような手続きをしなければならないのか、始めに計画を立てましょう。
留学生であれば学校の先生、またはお世話になる会社や人材会社の人、もしくは依頼する行政書士など、誰か手伝ってくれる人と一緒に行なうと良いです。
そして、相手があることですので、早め早めに行動をしましょう。
在留資格が取得できた後も、外国人の方の場合は、報告をしなければならないケースもあります。その部分までしっかり把握しておくようにしましょう。

10、まとめ

いかがでしたでしょうか。

普段何気なく使っている「ビザ」「在留資格」の違いがおわかりになりましたでしょうか。
きちんとした知識を持てば、より安心して日本で暮らすことができると思います。

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