【不当労働・不当解雇に合わないために】「日本の労働関係法令と外国人に関する法令」を知ろう!
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1、日本の労働関係法令について
日本で労働者を雇用するとき、企業は労働基準法等関係法令により規定されている事項や「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」を守らなければなりません。
働く私たちもきちんと知っておく必要があります。外国人を不当に働かせる、といったニュースもあります。
法令を守り、公正な雇用をしている会社を選びましょう。
2、法律で決められていること
法律では下記に記載することなどが決められています。
1、国籍を理由とする差別的取扱いの禁止
出身国の労働条件等が日本のものと比べて低いことを理由とする差別的取扱いも禁止されています。(労働基準法第3条)
2、労働条件の明示
会社は、労働契約を締結するに当たって、賃金、労働時間等を労働者に明示しなければなりません。特に、賃金に関する事項は、書面で明示することが必要です。(労働基準法第15条)
一般的に、雇用契約書という名称の書類です。内定をもらうと入社承諾書とともに渡されるケースが多いです。
3、強制労働・中間搾取の禁止
会社は、暴行や脅迫などで、労働者の意思に反して労働を強制してはなりません。
また、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはなりません。(労働基準法第5条、第6条)
4、労働契約の不履行について違約金、損害賠償額等を予定する契約の禁止
契約期間満了前の退職など、労働者側の労働契約不履行について違約金を定めたり、損害賠償の額を予定するような契約をすることは禁止されています。(労働基準法第16条)
5、労働災害にあって療養中の労働者に対する解雇の制限
業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間の解雇は禁止されています。(労働基準法第19条)
6、解雇の予告
労働者を解雇する場合には、原則として30日以上前に予告する必要があります。
30日以上前に予告しない場合には30日に不足する日数分の平均賃金額(解雇予告手当)を支払う必要があります。
ただし、天災などのやむを得ない事由のために事業の継続が不可能になった場合や、労働者の責に帰すべき事由により解雇する場合はこの限りではありません。(労働基準法第20条、第21条)
7、賃金の支払い
賃金は、通貨で、労働者に対し直接に、全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければなりません。(労働基準法第24条) ただし、全額払については、税金、雇用保険料などの法定控除及び組合費などの協定控除は例外となります。
8、また、労働者が退職する場合には、未払いの賃金等を、請求後7日以内に支払わなければなりません。(労働基準法第23条)
9、最低賃金
使用者は労働者に対し最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。(最低賃金法)最低賃金は、地域別最低賃金と産業別最低賃金があります。
10、労働時間、休日
法定の労働時間は、1日8時間、 1週40時間(一部の規模・業種の事業場については44時間)となっています(労働基準法第32条、第40条、第131条)。 法定の休日は、週について1日又は4週について4日以上とされています(労働基準法第35条)。
11、時間外・休日労働及び深夜労働の割増賃金
法定の労働時間を延長し、法定の休日に労働させるには、法令で定められた一定の手続きが必要とされています。(労働基準法第36条)
また、法定の労働時間を超える労働に対しては、通常の労働時間又は労働日の賃金の25%以上の率、法定の休日における労働に対しては、35%以上の率で計算した割増賃金が支払われることになっています。
さらに、深夜(午後10時から午前5時まで)における労働に対しても、25%以上の率で計算した割増賃金が支払われる必要があるとされています。(労働基準法第37条)
12、年次有給休暇
6カ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、年次有給休暇が与えられることになっています。(労働基準法第39条)
13、金品の返還
我が国に在留する外国人は、旅券又は外国入登録証明書を常時携帯する必要があります。(入管法第23条)旅券を他入に預けないようにしましょう。
また、労働者が退職する際は、請求後7日以内にその権利に属する金品を返還しなければなりません。(労働基準法第23条)
14、安全衛生
労働者の安全と衛生を確保するため、労働者の危険又は健康障害の防止、安全衛生教育(雇入れ時の教育等)、健康診断の実施がなされるよう労働安全衛生法で規定されています。(労働安全衛生法)